今、「体験重視型」のグランピングが新たなトレンドになりつつあることをご存じでしょうか。
コロナ禍以降、密を避けたい旅行者が増加したことをきっかけに、グランピングは一気に注目を集めました。そして今、その流れはさらに進み、グランピングは単なる宿泊ではなく、「ここでしかできない体験」を楽しむ場へと進化しています。
従来キャンプといえばBBQが定番でしたが、今は地元食材を使ったこだわりBBQ、クラフト体験や果物狩りといったアクティビティ、さらにはプライベート打ち上げ花火が楽しめる施設まで登場しています。また、廃材の利用や環境に配慮した運営など、サステナブルな取り組みを体験できる施設なども増えてきました。
ここ徳島でも、剣山の麓、港町に寄り添う海辺、木工のまち川内、ゼロ・ウェイストの先進地・上勝、四国最南端の海陽など、エリアごとに異なる個性やストーリーを活かした施設が数多くあります。
今回は、そんな“地域の色”を濃く感じられ、「ここでしかできない」独自の体験価値を提供するグランピング・キャンプ施設をいくつかご紹介していきます。
●グランピング
glampark つるぎの湯
標高1,955メートル、剣山の連峰に囲まれた秘境の地に位置する旅館【つるぎの湯・大桜】と【glampark】がタイアップしたグランピング施設。 ドーム型のテントは保温性が高く、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。
つるぎの湯のシンボル、樹齢500年を超えるエドヒガン桜が四季折々の表情を見せてくれます。
徳島県の郷土料理のフルコースが味わえるのも魅力の一つです。 たっぷりのお味噌の上で、大自然のなかで育ったあめごを一匹丸ごとを豪快に焼き上げる、徳島の郷土料理「ひららやき」や、プリプリでジューシーな旨味が凝縮された阿波鶏や、とろけるような味わいの徳島県産黒毛和牛を使用したBBQに。魅力いっぱいのお食事が楽しめます。
さらに、glamparkつるぎの湯では、敷地内に併設のサウナがあります。
穴吹川上流から直接水を引いている水風呂とサウナでととのえてから、広々とした剣山を望む大浴場で絶景を楽しむことができます。
glampark つるぎの湯
tel.03-6820-0656
美馬市木屋平川井270
小松島リゾート
海と山に囲まれた多くの自然に囲まれた小松島市の施設です。アウトドアブランドSnowpeak（スノーピーク）監修。ホテル宿泊スタイルの常設グランピング施設。
「Natural（自然）」『Elegance（優雅）」「Craft（手作業）」をキーワードに自然にいるような、開放感のある非日常空間を体験することができます。
部屋は3タイプの客室があり、部屋によって違った雰囲気を味わうことができます。なかでも、「エレガンススイート」「アクティブスイート」の2タイプはSnowpeak監修のルームで、Snowpeak製品でコーディネートされています。
どの部屋にもウッドデッキ、テラスがついていてＢＢＱやスパ体験を楽しむことができます。食事については、レストランで徳島県の食材を使用した地産地消の料理を楽しむことも、ルームサービスでの食事も可能です。
アクティビティについても、シーカヤックやＳＵＰ体験、しらす漁見学や乗馬、いちご狩りやジャム作り、トレッキングやバードウォッチングなど多彩な体験を楽しむことができます。
各体験でスノーピークのギアをレンタルすることもできるのも魅力的ですね。
小松島リゾートsnow peak glamping tokushima komatsushima
tel.088-538-6556
小松島市中田町字東山95-3
ドッグランピングSUIYA
徳島県海部郡にある、屋内、屋外室内問わずにペットと一緒に過ごすことができるグランピング施設です。ペットフードはすべて手作り、自家製というこだわり。
大切なペットと一緒に、安心して楽しむことができます。
2024年にはじゃらんアワードで５部門を受賞するなど、愛犬同泊の旅に高評価を受けています。
宿泊施設は一棟貸し切りスタイルになっていて、最大定員は4名まで宿泊可能です。
テントは自然と調和するドーム設計。暖房も完備、ペットの足洗い場としてガーデンパンも設置されています。
食事は、海鮮BBQを盛り込んだコースメニュー。地域ならではの食材と郷土料理をアレンジしたグランピングミールズをいただくことができます。わら焼きのかつおや、阿波牛や阿波尾鶏、鯛など徳島ならではの食材を楽しめます。
ドッグランピングSUIYA
tel. 070-8506-1690
徳島県海部郡海陽町宍喰浦金目9-10
カワウチタウン「Quvel」
徳島市川内町にある、キャラバンカーに泊まれるグランピング施設です。
アメリカ発のキャラバンカーの中には、キッチン＆リビングスペース・ベッド・温水便座付トイレ・シャワーを兼ね備えています。さらに1台1台に設置されたウッドデッキスペースにはテーブル＆チェアも備わっているので、居心地の良いプライベート空間でグランピングを楽しめます。
車に泊まれるという特別な経験は、お子様にも大人気です。
木工が盛んな川内の街から出る廃材（捨て木）を活用し、焚き火が楽しめる特別な空間をご提供します。焚き火を囲んで語らう時間は、日常を忘れさせる特別な体験。マシュマロ焼きも楽しめます。
また、Quvelの敷地内には、写真館も併設されています。 非日常空間が広がるQuvelでの記念撮影は映えること間違いなしで、特に家族やカップルに大人気です。
ほかにも、施設から徒歩1︎分の場所には小松海岸があり、海水浴やサーフィン、SUP、釣りなど、様々なマリンアクティビティを楽しめます。
ビーチにはシャワーが設置されており、付近にはレンタルショップもあるので安心です。
カワウチタウン「Quvel」
tel. 050-8890-4061
徳島県徳島市市川内町旭野１６９−１
BAYFRONT VILLA TAMATE ―ベイフロントヴィラ タマテ―
1日1組限定、サウナ付きのプライベートヴィラグランピングです。阿南市にあり、2024年12月に誕生したばかりの新しい施設です。
海を見渡す両面ガラス張り・非日常を演出するインテリアを施した近未来的なヴィラでの滞在は、誰にも邪魔されない贅沢空間です。
食事では、近海で獲れた新鮮な魚介類をふんだんに使用したBBQや懐石料理を楽しめます。さらに、バレルサウナと水風呂が完備されており、心身ともにリラックスできます。
専有スペースにはバレルサウナ・水風呂・ととのいチェアと焚き火スペースがあり、バレルサウナは国産ヒノキを使用した日本製を導入。
ヒノキの香りに包まれて、身体の芯まで温めてしっかり汗をかいた後は、水風呂でクールダウンし、心地よい潮風を感じながらのととのいタイム。サウナ好きの方にもおすすめの施設です。
さらに、個人で打ち上げるプライベート花火のご相談も可能となっています。記念日など、忘れられない特別な時間を過ごすことができそうです。
BAYFRONT VILLA TAMATE ―ベイフロントヴィラ タマテ―
tel. 050-8890-4061
徳島県阿南市橘町幸田92-2
●キャンプ場
月ヶ谷温泉村キャンプ場パンゲアフィールド
勝浦群上勝町にあるグランピング施設。上勝町は人口1600人ほどの、四国で一番小さい町。おばあちゃんたちの葉っぱビジネス「いろどり」や焼却、埋め立てゴミゼロを目指す「ゼロ・ウェイスト運動」で地域活性化の先進地と言われています。
こちらの施設は、ファミリーで楽しくエコを体験できるキャンプ場です。
無駄、消費、ごみをなくすというゼロウェイストの考え方に沿って、自然環境や文化、地域と共生するというテーマで運営されています。
宿泊場所はオートキャンプサイト、BBQ施設、コテージを完備（2025年11月現在、コテージは施設整備中のため、予約受付停止中）。
周辺には天然温泉「月ヶ谷温泉」が徒歩3分の場所にあり、昔から弘法大使ゆかりの湯として周辺住民に愛されています。
また、季節ごとにアメゴ掴みキャンプファイヤーなどのイベントを開催。ほかにもファミリークライミングで壁登りや、森のアトリエで工作、アイスクリームを作りなど、クラフト体験も充実しています。
月ヶ谷温泉村キャンプ場パンゲアフィールド
tel. 0885-46-0345
徳島県勝浦郡上勝町大字福原字川北4
まぜのおかオートキャンプ場
四国徳島県最南端に位置し、清流「海部川」が流れる「海陽町」にあるオートキャンプ場。
小高い丘より太平洋を望むことができる自然豊かなロケーションが魅力です。
キャンプサイト、コテージ、BBQハウス完備。
キャンプ場内に設けられたB&G海陽町海南海洋センターには、25ｍ競泳用プールで季節を問わず1年中利用できる温水プールがあります。
体育室ではバレーボールやバドミントン、卓球が楽しめるので、雨の日にも退屈しません。
また、キャンプ場としての機能だけではなく、体験型観光の拠点として各種情報を発信しています。
近隣には、線路と道路の両方を走る乗り物DMV「Ｄｕａｌ Ｍｏｄｅ Ｖｅｈｉｃｌｅ（デュアル モード ビークル）」が運航しています。「阿佐海岸鉄道」 が世界で初めて本格営業運航を始めた珍しい乗り物で、日本で唯一乗ることができる場所です。
他にも海中観光船ブルーマリン、シーカヤック、SUP（スタンドアップパドルボード）、スノーケリング、漁業体験、かつおの藁焼き体験など、県南ならではのアクティビティが目白押しです。
まぜのおかオートキャンプ場
tel. 0884-74-3111
徳島県海部郡海陽町浅川字西福良43
まとめ
いかがでしたでしょうか。徳島市内から気軽に訪れられる場所から、少し足を伸ばして辿り着く自然豊かなロケーションまで、さまざまな魅力と個性を持つグランピング・キャンプ施設をご紹介しました。
徳島ならではの海や山の風景を楽しめるのはもちろん、近年は土地が持つストーリーを施設のコンセプトに織り込むなど、その場所だからこそ生まれる“体験価値”がより大切にされていることが分かります。
そこでしか味わえない特別な時間は、忙しい日常からふっと離れて心をリセットするきっかけにもなるはずです。
今回ご紹介した場所以外にも、徳島には雄大な海を望むキャンプ場や、青々とした山々に包まれたサイトなど、魅力的なスポットがまだまだあります。
徳島にお住まいの方はもちろん、帰省や旅行で訪れる方も、ぜひ一度その魅力を体験してみてくださいね。
