前回の記事で徳島のワーケーションができる施設をご紹介しましたが、社内には釈然としない空気が流れていました。
ワーケーション。Webサイトには「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、旅行中に仕事をする、あるいはリゾート地で仕事をして、その仕事の合間に休暇を楽しむこと、とあります。
しかし、多くの人は旅行中に仕事なんかしたくないでしょうし、リゾート地で仕事をしながら休暇を過ごすのはセレブなイメージがあります。普通に働く一般の人にとって、ワーケーションのメリットって、なんなのだろうと。
そこで今回、どこからどう見ても一般の会社員であるムツビスタッフが、大塚国際美術館で1日ワーケーションをやってみましたので、その様子をレポートします。
9:30 入館
大塚国際美術館は日本で2位の敷地面積を誇る、巨大美術館です。広い。とても広い。
入館料の高さは日本1位です。大人3,300円。しかし今日は会社持ちなので痛くも痒くもありません。意気揚々と入館します。
カウンターの方にお伺いしたところ、大塚国際美術館のWi-FiはフリーWi-Fi。パスワード無しで簡単につながります。これは嬉しいポイントでした。
さらに、Web会議、クラウド上のデータ編集、ネット検索などを同時に行っても動作が鈍ることもありませんでした。
速さは申し分ないと思います。
Wi-Fiは全館で利用可能ですので、極端に言えば好きな絵画の目の前でも仕事ができるのですが、実際にはテーブルがないと仕事は厳しいと感じます。
セミナー参加など、タイピングを必要とせず会話も最小限でOKという程度の仕事であれば、椅子やソファだけの場所でも大丈夫かなという印象でした。
しかし、私は終日がっつり仕事をするつもりで参りましたので、テーブルのあるエリアへ直行。
結論的に言えば、ここが一番仕事に向いている環境でした。
B3のセンターホールです。
十分な数のテーブルと椅子が配置されており、椅子の座面も布張りで長時間座っても大丈夫そうです。午前中はここでしっかりと仕事ができました。
静かながらも美術品とは仕切りのある空間なので、Web会議程度の会話はしても大丈夫な雰囲気なのがありがたいです。あと空調はさすがに快適そのもの。人はそれなりに行き来しますが、ファミレスやカフェで仕事ができる人であれば全く気にならないレベルだと思います。
ただ一つ気になるのは、充電できる席が1か所だということ。
元々は休憩のための場所なので電源が設置されてないのは仕方がないのですが、これがこの先私をじわじわと苦しめることになります。
あとこれは完全に余談ですが、開始早々に両足首を蚊にかまれました。これは、大塚国際美術館に限らずですが、美しい自然には虫がつきものです。山の蚊は強い。とても痒い。
そして、じっとしている人間が私だけなので、集中的に攻撃された模様です。
夏場や温かい地域でのワーケーションには虫よけをお供にどうぞ。
12:00 昼食
現在はコロナの影響により、館内にある3つの飲食店のうち利用できるのは1店だけということで、迷わずそちらに向かいます。
B2階の「カフェ・ド・ジベルニー」。
ちなみに店内でもリモートワークは可能です。
食事のほかデザートも置いていて、今人気のマリトッツォを見かけたので3時のおやつに食べようと心に決め、食事を頼みます。
鯛の炙り焼き丼 1,100円。
こちらのお店はモネの大水連を囲むようにテラスが設置されており、綺麗な池と花を眺めながら食事を摂ることができます。
このままこの眺めを楽しみながら午後の仕事をするのもいいなと思ったのですが、この日の気温は30℃。優雅な景色を諦めました。
季節が春か秋なら、とてもいい気持ちで仕事ができると思います。
食事のあとは館内を散歩。どこを歩いても名画だらけで贅沢な気分です
13:00 場所を変えて仕事
午後からは場所を変えたいなと思っていたので、1Fの庭園に。
開放的な庭と鳴門の風景が望めます。
モネの大水連周辺よりもエリアが広大なので、風が通ることもあってここでは暑さを気にせず仕事ができました。
こうして場所を変えることで気分も変わるので、普段よりも煮詰まる時間が短い気がします。
15:00 充電が切れそうに
恐れていたことが起こります。ノートパソコンの充電がない。
午前中にいたセンターホールに戻るか、とまた移動をしました…が。センターホールには遠足で来たのであろう小学生の団体さんが休憩中。唯一の電源が取れるテーブルも埋まっており万事休す。
そのことを会社に伝えると、優しい同僚が「館内には電源ポールというものがあるらしいよ」と教えてくれました。
よし!と張り切って見つけたのがこちら。
おそらくノートパソコンの充電用ではない。
でも仕方ありません。電源がなければワーケーションはただのバケーションに。
膝にノートパソコンを乗せて、まさにこの記事をポチポチ打っていましたが、ノートパソコンの裏が熱くて膝が燃えそう。
機種にもよるのだと思いますが、私のノートパソコンは熱々でした。つらい。
16:00 再び最初の席へ
少し待っていると、お目当ての席が空いていたので、いそいそと戻りました。
電源をゲット。ここで気がつきます。マリトッツォ食べてない。
でもカフェにも電源はありません。もつのか充電…と悩んだあげく、マリトッツォを諦めました。もう電源がなければという気持ちが強まる一方。
17:00 業務終了
なんだかんだありましたが、それなりに仕事は進みました。
生産性に関して言えば、この日に限ってはそれほどいつもと変わりないと感じました。
これは作業の種類によるかもしれません。
電源の問題を除けば驚くほどに快適だったと思います。
場所が会社でも家でもなく、シェアオフィスでもない。仕事とは離れた場所であるというだけで、不思議と休みのような感覚に陥ります。
休みの日に仕事をするといつもよりもリラックスして仕事が進む、なんてことを言う人もいますが、それに近い感覚だなというのが私の感想です。
毎日となると悩みどころですが、月に1回などあれば気分が変わっていいなと思いました。アイデアを出したり、行き詰っている仕事に向き合ったりするのに向いているかもしれません。満足度はとても高かったです。
ただし、自分で支払うには入館料がお高い感は否めないので、会社の福利厚生に取り入れられたら素敵だなと思いました。企業のみなさま、いかがですか?
結論
- ワーケーションは休みの日に仕事をする感じに似ているが、実際は休暇が潰れるわけではないので気分的にお得。開放感があってリラックスできる。
- 仕事の効率はさほど下がらない。むしろさぼっていると思われてはいけない気持ちで真面目になるかも。
- 大塚国際美術館のワーケーションはおすすめ。ただし1日中作業をする場合は、充電の対策を。