2023年6月より、「新しい働き方」をテーマにしたラジオ番組を「いつか徳島」がスポンサーとしてスタートしました。
パーソナリティーは、子育てと仕事の両立に悩み会社員を辞め起業家に転身。現在は徳島県神山町にご家族で移住している松坂智美さんです。
7月の第二回目のゲストとしてお越しいただいたのは、三協商事株式会社 総務部 課長の増田美香さんです。
2022年10月から新たな「産後パパ育休制度」がスタートする中で、パパ育休取得者が急増。また、なかなか着手が難しい年間休日の増加も実践し、2023年からは土日祝休みの完全週休二日制をスタートしています。
ラジオで放映された内容を元に改めてインタビュー記事としてご紹介させていただきます。
――株式会社三協商事についてお教えください。
1947年に設立し、今年で創立76周年を迎えました。工業薬品、農薬・農業資材、建設資材等を取扱う総合商社となります。松山と高松に営業所があり、四国全域に亘り事業を展開しています。通信事業部門ではシステム開発や、携帯電話販売としてドコモショップ3店舗を運営しています。
1947年に創業し、歴史は更に長く江戸時代から続く会社です。徳島県内で売上が100億を超える企業は32社ということですが、三協商事様もその中の一社です。業歴・業績の面でも徳島を代表する企業の一社です。
――歴史ある企業であれば、新しい制度などを採り入れにくい面もあるのかなと思うのですが、昨年頃から男性の育休取得者が増えているとお聞きしました。男性育休取得のご状況を教えてください。
2022年10月に「出生時育児休業=産後パパ育休」が新しく施行され、就業規則も見直しを行いました。それに伴い、今月までの間に3名の社員がパパ育休を取得しました。社員の年齢は20後半~30前半で比較的若いことが特徴です。皆さん、平均2週間程度取得していました。
――育休を取得されている方の仕事のサポートはどのような形で対応されていますか?
営業職の社員なので顧客対応をどうするのかという点が課題でした。
育休に入るということを事前に顧客にもお伝えする、育休前に仕事を終わらせるなど事前に本人がしっかりと準備していました。また、不在時の顧客対応については、同僚・上司のサポートにより、お客様に迷惑を掛けないような形で行いました。
――仕事をサポートする側の人材から不満はでませんでしたか?
不満の声などは特に出てこなかったと思います。
今の時代、特に若い世代は共働きや男性の育児参加が当たり前になってきています。男性社員も当たり前に、育児休暇を取得し、奥様をサポートしたいと考えていたようです。
制度が新設された段階で就業規則を見直し、事前にグループウェアの掲示板で全社的に周知しておりましたので、特に問題もなく、育休取得を希望する社員から相談があり、スムーズな形で取得が出来たと考えています。
また、もともと人間関係の良い職場で、プライベートのことなども気軽に話しやすい環境というのも大きいかもしれません。今まで在籍していた男性社員も入学式、参観日や運動会など学校行事にも積極的に参加し、育児参加をしていましたし、そのために有給を取得することもありました。
社員である父親が育児に参加することを受け入れることができる環境づくりもできていたのかもしれません。
――育休を取得された当事者の方々からの育休期間に対する評価はいかがですか?
今回、当社で初めて男性育休を取得した社員から感想を聞くことが出来ましたのでご紹介させていただきます。
まず、1日のルーティンでは、2~3時間の間隔でミルクやおむつ交換のサポートを行うとともに、その他、掃除・洗濯、炊事なども自分で出来る事はやっていたそうです。
2週間の期間、育休を経験することによって、一人で育児をすることの大変さ、また新生児の時期に育児に関わることの大切さを知ることが出来たそうです。苦労の反面、育児の楽しさや感動を経験することが出来、大変充実した育休になりました、という感想をいただきました。
――男性が育休を取得しやすい環境が整っていれば、それ以外の介護休暇や孫の世話などで有給を取得する際にも理解がありそうですよね。女性社員の育休取得率はどのようになっていますか?
女性社員が初めて育休を取得したのが約20年前になりますが、現在に至るまで女性社員の育休取得率は100%で、復帰率も100%となっています。
私自身、育休から復帰した初期メンバーです。家族のサポートもあったことも復帰のために必要なことでしたが、この会社で働き続けたいという気持ちが一番だったかもしれません。
職場で働く楽しさもありましたので、職場に絶対復帰したい!という気持ちもありました。他の社員もきっとそうなんだと思います。また、会社内でも十分な理解を頂いていたと思います。
女性の産休・育休取得が当たり前の弊社だからこそ、男性の育休取得もスムーズに進んだ面もあるのかもしれません。
――男性育休取得の推進以外でも、休日を増やし完全週休二日制の導入もされたとのことですが、詳細をお教えください。
当社の休日は基本、土日祝日ですが、祝日のある月の最終土曜日は出勤日となっていました。それを今年の7月から完全週休2日制を実施することに決定いたしました。
――休日は増やすことはできても、減らすことが難しいものでもありますし、生産性と直結して企業の業績に響く問題なので、中小企業は休日を増やす意思決定をしていくのが非常に大変だと思います。これを実行できたのにはどのような背景がありますか?
まずは労働条件を改善することにより、「いい人材」を採用したいと言うことと、社員のモチベーションアップに繋げたいという理由からです。
既存社員からの評判も非常に高いと感じます。休日が増えて嬉しいという素直な声を聞くことができました。実際に、プライベートの時間が増えて充実した生活が出来る様になったとか、お子さんがいる方は保育園や学校の行事に参加出来る様になって良かったなど、とても好評です。
企業は人なりで、商社である当社はなおさらだと思っています。また、環境変化が激しく、難しい時代だからこそ、会社のために頑張ろうと思える社員一人ひとりのモチベーションが大切だと思います。
男性育休もそうですし、休日の増加などを通して、社員のモチベーションが上がることで、業績も向上していくことを目指しています。
――採用が難しい今の時代だからこそ、既存社員の満足度を高め、離職率が低減することも非常に重要ですよね。三協商事に所属していてよかった、と思える気持ちも高まっているのではないかと思います。三協商事様ではどのような人材を採用したいと考えているのでしょうか。
(状況に変化がございますので、募集が終了していることもございますのでご了承くださいませ)
社内では新規事業の立上げやDX推進など新たな取り組みを行っていることもあり、2023年は、各部門に新しい人材を配属し、組織全体の強化を目指しています。そのため、新卒・中途採用の営業職を中心に募集を行っています。
人のため、社会のために役立って感謝されることに働きがい、生きがいを感じられる人が活躍できると思います。「化学」「建設」「農業」と3つの分野で営業職を募集しています。そのため、その人ごとの特性や希望に合わせた配属が可能ですので、それぞれの得意や個性を活かしやすい職場だと思います。
――「産後パパ育休」「年間休日数アップを行い、土日祝完全週休二日制の導入」と採用力を向上に取り組む三協諸事様。働き方をパージョンアップさせている根底には、従業員が気持ちよく働けるように、従業員のモチベーションアップが業績向上に繋がるようにと、愛社精神豊かな社員自らが声を上げ作り上げていることがわかりました。