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鬱の原因は自然不足にあった!?自然欠乏症候群とは?

2018.09.25

近年、自然不足が不眠や倦怠感など軽度の鬱の原因になっている可能性がある、といわれているのはご存知でしょうか。鬱の原因は人それぞれですが、一つのアプローチだと思ってご参考にしてください。

当社に相談に来られる方にも精神的に参っている人はいます。その典型的な原因を上げてみますと・・・

  • 過度な残業
    月100時間以上の残業があり、会社への泊まり込みや休日出勤も常態化するような働き方が長期間続き、体力を奪われていくケースです。
  • 人間関係がうまくいかない
    不条理で厳しい叱責を受け続けるというも攻撃的なものもあれば、無視される、指導してくれないという消極的なケースもあります。
  • 将来への不安
    会社や経営陣への不信感から将来を悲観してしまい、鬱になることもあります。

私の経験上は、重度の鬱に発展する原因として圧倒的に多いのは過度な残業だと思います。
長時間労働で体力が落ち、精神的な疲労も回復できなくなってしまい、最終的に体力と気力の両方が奪われるのでしょう。改善のための方法が見えていてもそれすら実行できなくなり追い詰められていくのだと思います。
それ以外の2つも、自分一人の力では解決が難しい問題ということでは同じです。ただ、いざとなると仕事を離れることができる職場環境であれば重度にまでは至らないという環境の違いかもしれません。

対処法ですが、身体的な症状(夜寝れない、食欲がない、吐き気がする、朝起きるのがつらい)があり、長引くようならまずは、医師に相談してください。
しかし、そうなる前であれば、自分なりのストレスへの対処法を確立してください。

ストレスへの対処法は2つのアプローチがあります。

  1. ストレスの原因を取り除く(外部環境を改善させる)
  2. 受けたストレスを解消する(自分の心の在り方を変化させる)

仕事を長く楽しく続けるためにも、リフレッシュによってストレスを解消することは非常に重要だと思います。

リフレッシュすることを「習慣」にすることも重要だと思います。
精神的に健康な状態であれば意識しなくても自然とリフレッシュできていると思います。しかし、疲労困憊してくるとできなくなり、それが長期間続くと気持ちが落ち込んでくると思います。
「気が向いた時にする」ではなく、「意識して定期的に」リフレッシュすることが重要だと思います。

1.の「ストレスの原因」について、近年、新しい考え方として『自然欠乏症候群』をいう概念が提唱され注目されているそうです。(ネイチャー・ディフィシェンシー・シンドロームというそうです。)
正式な病名ではなく、自然から遠ざかった生活をすることによって、全身の倦怠感や不眠が引き起こされる可能性がある、という概念です。

実感としては理解できる気がします。東京に進学してもたまに日中ジョギングに行ったり、高尾山に登ってみたり、せっかく都会に行ったのに田舎でもできるようなことをしていました。たまに昼間の外で遊ばないと、何となく気持ちが沈むような気がしていました。
東京の人はやたらと旅行が好きで長期休暇のたびに旅行の話をすることに当初驚いた記憶があります。都会で育った生粋の東京人も自然と触れ合いたいという本能(?)があるんでしょうね。

“参照:Richard Louv、「Last Child in the Woods: Saving our Children from Nature-Deficit Disorder」(2005年、アメリカ)
日本語訳:「あなたの子どもには自然が足りない」”

リチャード・ルーブは、「自然から遠ざかった」現代の子どもたちに、さまざまな精神不安定 やそれに伴う症状がもたらされるということを指摘しました。以下のような症状が典型です。

  • 集中力がない。ひとつのことに集中できない。
  • 落ち着きがなく、じっとしていられない。
  • 忍耐力がなく、かんしゃくを起こす。
  • 他人に対する気遣いができず、友達とうまく遊べない。

著者は科学的な調査をしていますが、あくまでも概念≒考え方であり、批判もありますので是非の判断はご自身でお願いします。

自然欠乏症候群の対策をご紹介します。リフレッシュ方法としてだれもが取り入れることができますので参考にしてください!!

  • 日の出と日の入りを意識した生活
    日光、特に朝日を浴びるといいことはよく言われますね。反対に日暮れ後は仕事を終えて気持ち良く朝を迎える準備をすることも大切です。
  • 木や自然素材を多く使った家や家具を選ぶ
    家選びだけでなく、ファッションでも綿や麻のシャツを着たり、インテリアでも観葉植物を取り入れたり、身近にできることがたくさんありそうです。
  • 五感を刺激する
    C.W.ニコル氏に言わせると、「自然の中で五感を働かせる経験」を積むことが大切だそうです。そうであるなら、例えば道端の花に「目」をやる、そして「触れてみる」、食事をいつもより「味わう」、口に入れる前に「匂う」、風や雨、虫の音に「耳」を澄ませる。このようなことでも十分五感を刺激できると思います。

思考すること、人に気を遣うことをいったんやめて五感に集中できる時間を持つだけでも日常生活が豊かになりますね。

  • 徳島へ転職する?
    極論ですが、都会での生活に疲れたら徳島への転職を検討してください。
    自然と触れ合う時間をどの程度必要と考えるかは人それぞれ違うはずです。東京にいても旅行で賄うことができるはずですし、別に触れ合いたくないという人もいると思います。ただ、もっと自然との距離が近いところで暮らしたいと考えている人は、地方での生活を考えてもいいと思います。
    私の自宅から車で15分くらいの鳴門にある公園です。とても広い公園なので猫も子どもも安心して遊べます。
    (鳴門ウチノ海総合公園:https://www.uchinoumipark.jp/

最後に、転職を考えている方へのアドバイスをさせてもらいます。
鬱の病歴は障害になるのでは?と不安に思っている人もいますが、なると思います。自覚してしっかり対策をしてほしいと思います。
面談時の私のチェックポイントは、「再発する可能性がどのくらい高いか?」です。企業様もその点を最も心配すると思います。反対に言うと過去に病歴があったことはそこまで重視しないと思います。原因を理解し、対処法を持っていて今後は大丈夫であることが重要です。

ここからは面接対策ということで説明しますが、より本質的にはより良い人生を送るために何か一つでも参考になれば幸いです。

  • 原因の特定
    自分の心が落ち込む原因を理解していることはかなり重要です。原因が分かっていれば対処法が見えてきます。その原因がない職場に転職すれば再発する可能性はかなり低くなりますし、こちらも紹介先企業様に説明できます。
    例えば残業が多くて病んでしまった人なら、残業時間が少ないことを最重要の条件として転職先を探して下さい。その代わり賃金のダウンは覚悟してください。
    人間関係が原因だった人であれば、人間関係の中でも何が嫌だったかを考え、掘り下げて原因(状況)を特定してください。仮説でも十分です。面接ではそれを説明するといいと思います。「うちも同じ状況だよ」と言われればその会社はやめたほうがいいでしょうし、「うちは大丈夫だよ」と言ってもらえれば安心です。不合格になるリスクもありますが、鬱になる状況がある会社に転職する方が危険です。
  • 対処法の確立
    リフレッシュ方法を持っているか?も重要なポイントです。一つでも持っている方は再発の可能性はかなり低く、仕事以外に特に趣味がないという方は心配です。趣味といえるほどのものでなくでも、喜びを感じる瞬間を持ってください。

また、人間関係のチャンネルを複数持っていることも重要です。悩みを聞いてくれ、解決のためにアドバイスをくれる人間関係が必要です。家族、地元の友達、県外の友達、趣味で出会った友達など。あまり多すぎると仕事に集中できないのではという心配はありますが、職場以外にも必ず1つは持ってください。

あとはプライドが高すぎないか?です。相談ができず抱えこみ、悪化しても医者にも行けず、アドバイスにも耳を傾けることができない人だと好転しないと思います。プライドの問題は自分次第で簡単に解決します。心配をかけたくないと思って相談できていなかった人に相談してください。多くの場合、それが一番信頼できる人です。

転職に際して、という視点で話しましたが医学的にはまた別だと思います。長期間継続するようなら医師に診断してもらってください。自覚することが対策の第一歩です。

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