「いつ転職するのが有利なのでしょうか?」
「もう少し待てばもっと求人が増えるのでしょうか?」
という質問を頂くことがあります。まずはデータで検証したいと思います。
企業の新しい募集が最もたくさん出るのはいつでしょうか?
最も募集が増えるのは1月です。10月、6月にも増加のピークがあります。
新しいスタートのタイミングに増えるようにも見えます。1月は新年のスタート、10月は下半期のスタートですね。
最も募集が少ないのは12月です。
年末は何かと忙しく、企業にとっては採用に向けて動きにくい時期なのかもしれません。
転職希望者が増えるのはいつでしょうか?
転職希望者が多いということは、競争相手が多いということに言い換えられるかもしれませんね。
最も転職希望者が増えるのは4月です。次のピークは10月です。
これも新年度のスタートである4月、下半期のスタートである10月と合致していますね。
期末、半期末の区切りのタイミングで退職し、転職活動を始める人が多いのかもしれません。
ただ、エージェント業をする中では、「きりよく期末・半期終了で退職したいです」という人は多くはありませんでした。
経理関連の時期に左右される人は、その傾向はありますが、多くの方はお勤め先の状況や自身の状況に合わせて転職活動を行っているようです。
転職するタイミングが、年度末、半期末などがある場合は退職日をそこに調整するということはあるようです。
最も転職希望者が少ないのは12月です。
多くの企業の賞与支給時期でもあり、求職者の方も動きにくいでしょうね。
年末に転職しにくいというのは人材も企業も同じようです。
最も就職者が多い時期は?
就職(転職)に成功した人の数が最も増えるのはいつでしょうか?
最も就職者が多い時期は、3月です。次は10月にピークがあります。
1月に企業の募集が急増するので、その就職が決まるのが3月ということだと思います。
選考に通常は1~2カ月かかるので、納得がいきます。
しかし、もう一つの企業の募集のピークである10月の場合は、就職件数も10月にピークを迎えています。
これは、時間をかけずに(1カ月以内に)採用しているということが予測されます。
あくまでも統計からの仮説ですが、4月に向けた春採用は1~2カ月かけて選考を行い、10月に向けた秋採用は短期間の選考で採用する、ということかもしれません。
最も少ないのは1月です。
これは12月が企業の募集も転職希望者も最も少ない時期なので、その影響で1月の就職件数も少ないのだと思います。
仮説1:
春採用は選考に時間をかけるが(1~3カ月)、秋採用は1カ月以内の短期選考
※エージェントとしての実感はあまりありませんが、1~2月は何かと忙しいため面接の日程調整が難しい、秋は業務が落ち着いており選考がスムーズに進む、ということはあるかもしれません。
もう一つ気付いたことは、「企業の募集が増加→就職件数の増加」という相関関係は確認できます。
しかし、それに比べて「転職希望者の増加→就職件数の増加」という相関関係は弱いようです。
なぜなら、転職希望者が最も増える4月以降も就職件数は下がり、6月に微増する程度だからです。
とすると、企業の募集が増える時期の方が転職しやすいということになります。
仮説2:
就職しやすいのは、企業の募集が多い時期
Point!
【企業の募集】 最も増加するのは1月で、10月、6月にも増加のピークがあります。
【転職希望者】 最も増加するのは4月で、次のピークは10月です。
【就職件数】 最も増加するのは3月で、次のピークは10月です。
ただし、これはあくまでも全体的な動向ですし、時期の良し悪しだけで転職が失敗するわけでも成功するわけでもありません。
また最も求人が少なかった2018年1月でも166万件あります。(ハローワークでの求人数)
年間を通して一定数の求人はありますので、希望に合致する企業があれば早めに動いて、選考へ参加頂きたいと思います。あなた以外にも魅力を感じた人がきっといるので、もっといい企業があるかもと待っている間に終了してしまうかもしれません。
(データからは特に秋採用は短期勝負です)
ただし、迷っていたり、良い求人に出会えない状況があるのであれば最も求人が多くなる時期(1月、6月、10月)まで情報収集や転職準備活動を行ってください。例えば、エージェントに会って情報収集を行ったり、履歴書・職務経歴書の作成を行ってください。
年間スケジュールも頭に入れて活動計画を立てて、良い求人に出会った際には、迅速に動いて下さい。
よい転職活動の一助になれば幸いです。