勝浦町は、徳島東部にある町です。
徳島県内有数のみかんの産地として知られており、ビッグひな祭りも有名です。
徳島市に隣接していることもあり、都会過ぎず、田舎過ぎるわけでもない。「ほどよく田舎」です。アユ釣りができる清流など豊かな自然もあり、徳島市内から片道30分～40分程で行くことができるので、お出かけスポットとしてもお勧めです。
さて、そんな勝浦町が、「恐竜の町」として注目されていることは、徳島県内の方はご存じかもしれません。
恐竜の化石発見に湧く、勝浦町と恐竜の関係を少しご紹介します。
国内最古級のボーン・ヘッドの発見！
徳島県と恐竜との関わりは、平成6年4月。
勝浦町において、「四国初」となるカモノハシのような口を持つ草食恐竜（イグアノドン類）の「歯の化石」発見から始まりました。平成28年7月には、首や尾が長い大型草食恐竜（ティタノサウルス形類）の「歯の化石」を発見し、その後も現地調査を継続してきました。
その結果、何と約1億3000万年前、「白亜紀前期」の「ボーン・ベッド」、いわゆる「恐竜化石を含む地層」が発見されました。しかも、このボーン・ベッド、恐竜の歯や骨の化石を含む地層としては、「国内最古級」のもの！
恐竜の化石が発掘できる市町村は、日本全国内でも30市町村しかないそうです。日本は高温多湿なため、そもそも恐竜が化石化しにくい気候だそうです。貝類などの化石はたくさん発掘されますが、恐竜の発掘は極めて稀有なそうです。また、恐竜が化石化しても、森林に覆われて化石の発掘もとても難しいそうです。
ですので、国内最古級のボーン・ベッドが発見されたこと自体が、日本国内においても大変貴重かつ、珍しいことだそうなんです。
発掘調査が加速化される中、この徳島県勝浦町では、2021年12月に、イグアノドン類の日本最古級の「尾の骨」と「歯」の化石が見つかりました。2022年1月には、化石愛好家の親子によって竜脚類ティタノサウルス形類の「歯」の化石が発見されました。ティタノサウルス形類は、全長10メートルを超える大型の草食恐竜だそうです。すごい、スケール感ですね！
そして2022年8月にも、国内最古級となる植物食恐竜イグアノドン類の「歯」の化石が見つかりました。小学3年生の男の子が、発掘体験イベントで発見したそうです。5年間行っている発掘体験イベントで化石が見つかったのは今回が初めて。発掘体験で化石が見つかった喜びはさぞ大きかったことかと思います。 これで、徳島県内で発見された恐竜化石は45点になりました。
恐竜で町おこしを目指す勝浦町
1994年に四国で初めて恐竜の化石が発見されたのも勝浦町。
こうした出来事を機に勝浦町では恐竜にまつわる町おこしに取り組んでいます。
・恐竜の里
四国初の恐竜化石発見を記念して、「NPO法人阿波勝浦井戸端塾」がつくりました。
大自然が広がる立川渓谷の中に、実物大のイグアノドンやステゴザウルスなど複数の恐竜モニュメントが点在しています。近くにはバーベキュー場や、恐竜神社もあるようです。
詳しい情報はこちらから：https://www.east-tokushima.jp/feature/detail.php?id=23
・阿波かつうら恐竜フェスティバル（7月～8月）
勝浦町と勝浦町教育委員会の主催で、2021年からスタートしました。
2022年は化石発掘体験をはじめ、小皿への恐竜の絵付け、恐竜形石けんづくり、恐竜レザークラフト体験など、子どもから大人まで楽しめるイベントが企画されました。小学3年生の男の子が発掘体験で恐竜化石を発見してからは、各種体験への申込が増加したそうです。
ということで、私たちも化石発掘体験に参加してきました！
化石は発見できませんでしたが、地質・古生物学の理学博士である荻野慎諧先生の指導の下、化石発掘体験ができたことは、大変な学びになりました。
大人の私たちは、ついつい大物の化石を狙いたくなってしまい、無言で石を割り続けましたが、参加した子どもたちも「先生、先生、これはなんですか？」と自分が割った石を博士に見てもらい、「植物化石だね」と教えられると嬉しそうに目を輝かせていました。
今後の勝浦町の恐竜イベントも楽しみにしています！
