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新しい働き方ラジオ|第1回「女性の働き方を考察することで、多様な人材が活躍する新しい働き方が生まれる」

2023.06.26

「新しい働き方」をテーマにしたラジオ番組を「いつか徳島」がスポンサーとしてスタートしました。

6月に第一回目に放送となり、弊社代表の中西昌子がゲスト出演しています。
女性の新しい働き方を切り口に、徳島が新しい働き方を実践する最先端の地域を目指すべき理由、そして新しい働き方をみんなで考えていくことの大切さを語っています。

カットされた内容も含めて、トーク内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

松坂智美:
このラジオが目指していくところですが、ただのトーク番組に留めることなく、働き方の多様性を社会や行政に発信していくと共に、正解のない新しい働き方について探求していくような。そんな番組になるのかなと予想しています。
この番組に期待することはどのようなことですか?

中西昌子:
そうですね、FMびざんという地域密着ラジオでの番組ですし、スポンサーである私たちも徳島に密着した企業ですので、「新しい働き方」の情報発信を通し、徳島で働く、働きたい方にも、企業にも「新しい働き方」を考える機会にしてもらいたいなと思っています。

そして、情報を発信するだけでなく、これからどんな「新しい働き方」があると良いのかを皆さんとも一緒に考えて、「新しい働き方」を企業や行政にも提案していく、そんな課題解決型の番組になればと思っています。そして、皆さんの声を私たちのサービスとして具現化できればと思っています。

また、女性だけでなく男性の方にも聞いてもらうことができるラジオ番組にもしていきたいですよね。

会社の組織や社会の組織を作る大部分が男性です。働き方を考えたり、作ったりするためには、男性をしっかり巻き込んで行くことが大切だと思います。

松坂智美:
この番組の特徴として、「女性の目線」「ママの目線」であるところが挙げられるかと思います。昌子さんも起業されて小さなお子さんがいらっしゃる中で働いてきたと思うのですが、女性の目線で番組を作っていくことをどのように思われますか?

中西昌子:
そうですね、この10年で働く女性の数が劇的に増えています。2012年頃まで、働く女性の数は約2600万人前後を横ばいで推移を続けていましたが、この約10年間で働く女性が340万人も増え3000万人を突破しました。また、共働き世帯もこの10年で大きく増加し、専業主婦世帯の2倍となり、共働きが当たり前になってきました。

それまでは、女性が結婚や出産を機に、仕事を辞めることがほとんどでしたが、今は結婚後も出産後も仕事を続ける女性が急速に増えています。

もちろん、今までも働く女性はいましたが、男性と同化してバリバリ働くスーパーウーマンか、男性の補助的な位置づけや、賃金が比較的低く、短時間のみ働く方が多かったと思います。

しかし、今は正社員として働いていた普通の女性が、結婚・出産後も仕事を辞めずに続けることが社会の前提ともなり、マタハラ防止措置が義務化されるなど、女性活躍推進法などもでき、産後も女性が会社などで働き続けられることができる、しやすい社会環境が整ってきています。

ただ、実際に仕事と家庭との両立という面ではまだまだ課題もあり、「仕事と家庭の両立って、むちゃくちゃ難しい!」と多くの女性や家庭を大切にする男性が、一斉に声を上げだしている状況だと感じます。

少しずつ、じゃあ、どうすればその両立ができるのだろうか、という議論が進んで来ていると思いますが、まだまだ多様なベストアンサーは見つかっていません。

だからこそ、今まさに課題に直面している女性が実践を通して、どうするべきかを議論し、様々なベストアンサーを提示する意味があると思います。

それが、これからの5年後、10年後など未来に向けて大切な活動になっていくと思います。
歴史的に見ても、選挙権がなかった女性が選挙権を獲得してきたように、女性自身が権利を獲得していくプロセスでもあると思います。

松坂智美:
今働き方の多様性も注目されてきてはいますが、まだまだ徳島の働き方はアップデートが遅いような印象もあります。人口72万人という「徳島県」という働くフィールドを人材紹介会社の視点でご覧になってきて、どのように感じていらっしゃいますか?

中西昌子:
そうですね、徳島県だけでなく「男性」が主体の企業、歴史のある業界などは、女性が少ないこともあり働き方のアップデートがされていない企業が多いと感じます。

ただ、私は人材業界で長らく働いていますが、そもそも多くの企業が「採用するのは男性が良いです。女性は結婚したり、妊娠すると仕事が続かないので」というのは、人事の方から良くいわれていたことですが、この数年で男性でなければという企業は圧倒的に減ってきていると感じます。女性が働くチャンスが生まれたという意味では、女性の社会進出は大きく前進していると感じます。

この数年内で、多くの徳島の企業も、女性をより積極的に採用したいという意識の変化は生まれていると感じます。しかし、多くは性別の役割意識が残っていることと、女性に長く働いてもらいたいと考えるものの、どのような制度があれば良いかの方法論がわからず、困っているという企業も多いと感じます。

人口が少なく働き手が少ない徳島だからこそ、より多様な働き方を模索することで、少ない人口ながら、企業の経済活動を支えてくれる人材を確保することが迫られています。

だからこそ、ポジティブに考えると、徳島は新しい働き方を実践する最先端の地域にできる可能性も秘めていると思います。

そのためには、大きな意識の変化が企業にも迫られていると思います。

現代ママの働き方の悩みとは?

松坂智美:
現代ママの働き方のお悩みということですが、私自身も7歳4歳の子のママですが、働き方で悩んでない人いないんじゃないかってくらい、周りみんな壁にぶつかっていると思います。
「マミートラック」という言葉が話題となり、母になって時短勤務などを選択してしまうと、その後のキャリアに遅れをとるといった印象もあります。
現代のママさんたちは、どのようなことで悩まれていますか?

中西昌子:
ほんとに、悩みのない女性なんていないじゃないでしょうか。
それも、一つの悩みをクリアしたら、また次の悩みが生まれるという。

妊娠の時期も特に悩みますよね。若いうちに妊娠する方が不妊の問題も少なくなるし、身体の負担もすくないけど、キャリアを積んでからじゃないと、会社に居場所を作りにくいという問題もあるしと、いろいろ悩まんでも、結婚や妊娠は自分ひとりでするものではないので、コントロールできるものではないのですしね。

出産後も働き続けるために、今の働き方だと結婚や出産後に働き続けることが難しいから転職したいと思っているけど、転職後すぐに結婚や妊娠は難しいから転職すべきかどうか悩んでいる、とか

産後に仕事が続けられなくって、辞めてしまったけど、子どもを保育園に預けて働きたいけど、保育園に預けれないので、転職活動そのものが難しいとか

保育園入れたけど、上の子と下の子が違う園で送り迎えむっちゃ大変とか

子どもを保育園に預けて働いているものの、しょっちゅう病気で呼び出されて、仕事にならないし、周囲の目が気になってつらい、子どもにも寂しい想いをさせているんじゃないかと思ったり、

時短勤務でなんとか働いているけど、結局仕事を持ち帰って、仕事を自宅でしているものの、残業代もつかなければ、給与も減らされてつらいとか

今は時短勤務で働いているけど、子どもが小学生になると時短勤務がなくなるから、働き続ける方法が見つからない、とか

子どもが学校へ生き渋るから、仕事を休まなくちゃいけないから正社員としての働き方を諦めた・・とか

子どもをもって正社員やフルタイム勤務で働き続けるのは、環境的に恵まれている方だと思いますが、それでもかなりの綱渡り状態で行われていると思います。

また、仕事を続けるだけでも大変なことなのですが、仕事に生きがい、やりがいを感じ、キャリアを積んできた女性にとって、時短勤務になることで、今まではむしろ自分の方が前に進んでいたかもと思う女性も、男性にキャリアを追い抜かれるということに苦しんでいる方もいます。

子どもの年齢によって悩みも違い、またご自身の家庭環境やキャリアに対する考え方によっても悩みも様々です。

松坂智美:
ここで実際に「ママ達は働き方を変えているのか」についてデータを元にご紹介していきます。

ベビーシッターマッチングサービスのキッズラインが2022年に行った調査で、子育てを理由に働き方を変えたママは65.4%いるということで、半数以上が実際に働き方を変えているんですよね。
そして、どのように働き方を変えたのか、という中身は41%が「時短勤務」を選択しています。仕事の量を減らしたが21%ですね。

中西昌子:
そうですね。先ほど、女性の悩みをお伝えさせて頂きましたが、多くの女性が仕事と家庭の両立を目指すために、女性が働き方を変えることが当たり前になっていると思います。

松坂智美:
どちらにしても、子育てをしながら、独身とまったく同じように働く、というのは無理な話でもあります。どうせ働き方をママパパが見直すのであれば、何かを諦める見直しではなく、ポジティブな見直しを行うのがよいと思います。

昌子さんがご覧になってきた中で、ポジティブに働き方を変えてきたママさんはいらっしゃいますか?

中西昌子:
そうですね。

子どもが小さい間はおもいっきり子どもと関わりたいと、仕事は辞めていた女性が、子どもが幼稚園に通いだしたときから、週1日で会社へ勤務するようになり、子どもの成長に併せて、午前出勤のみを行い、現在では子どもが小学生なので子どもが学校に行っている間の8:30~15:00まで勤務し、勤務時間も徐々に伸ばし、仕事の領域も簡単な雑務から、総務、事務、経理、営業事務と幅広い仕事に挑戦している方もいます。

子どもとのふれあいも大切にしたいという想いと、仕事においても新しいことに挑戦したい、スキルを身に着けたいという想いを叶えていると言っています。

他には、一家の大黒柱で、お子様が複数人いる女性が、稼ぐことと家庭の時間を両立したいということで、転職をされた方がいます。
それまで勤めていた会社では時間単位での有給が取れず、子どもの行事に参加できなかったり、残業が発生することで子どもとの時間が取れず、勉強を見てあげることができない状況になっていました。

今は転職をして、稼ぎも以前と変わりませんが、残業のない会社で、時間単位の有給を取ったり、裁量労働での働き方で、夜に仕事がある場合は、早めに帰宅するなど、自分で時間のコントロールができるため子どもらしい生活時間を守りながら、子どもに必要な時間も持てるようになりました。仕事と家庭の両立ができるようになりました。

その他には、お子様が小さいうちは比較的時間を自由に使えるような業務委託型で在宅ワークをなさっていた方がいるのですが、子どもが小学高学年になり、ある程度自分のことは自分でできるようになったタイミングでしっかりと稼げる正社員に転職を成功されたという事例があります。

自営業として責任をもって業務を遂行され、またスキルを身に着けていたことで、多数の企業からかなりの高待遇で複数のオファーを頂いていました。

一旦キャリアダウンをしているように見えても、スキルを身に着けることで、次の大きなステップにも繋がっていますし、何よりお子様との時間を大切にすることができていたことが素晴らしいと感じました。

松坂智美:
ここから、働き方の視点を従業員の視点から、企業側の視点にうつしてまいりましょう。
ママの働き方の悩みに対して、企業側ができることもあると思います。

転職サイトのマイナビで2023年に発表された「女性が働きやすい企業で行っている取り組みの調査」があるのですが、そこでは、女性が働きやすい会社がおこなっている取り組み・制度として、妊活休暇・女性管理職の登用・ロールモデルメンター制度の導入などがあげられています。
こういった制度があると、女性が働きやすくなっていきますか?

中西昌子:
そうですね。私自身も実際に経営者として管理職をしていますが、女性や育児をする男性にとっても働きやすい環境づくりはできていると思います。

実は先ほどお話をした二人の女性は、弊社の社員の事例なんです。

やる気も能力もある女性に働いていただけることは弊社にとって大きなメリットになります。

また、共同経営者の専務でもあり兄は男性ですが、奥さんの仕事が、残業も多く、休みが非常に取りにくいこともあり、子どもが病気の際は、専務が在宅勤務で子どもを見ています。お迎えも、夕飯作りもするなど、家事・育児のかなりを担っています。

奥さんが産休から復帰する中で、育児の多くを担う可能性があると想定していましたので、男性だから残業をして当たり前と思わず、奥さんが仕事を続けられるようにと、柔軟な働き方ができる体制作りを行っていました。

女性だけでなく、男性も、家庭の状況や希望を聞きながら、どうすれば家庭と希望する働き方を両立できるか、会社として許容できる形で、働いてもらえるかをすり合わせながら働き続けることができる環境づくりを行っています。それは、一度決めたらずっとそのやり方を続けるのではなく、状況に変化があるたびに話しながら、トライ&エラーで続けています。

ただ、男性ばかりが管理職だとその発想は浮かびにくいかもしれません。フルタイム・残業ありで働ける男性の思考だけで考えると、ライフステージが変化していく特に女性に対して、働きやすい環境づくりを提供することは難しいかもしれません。

だからこそ、女性の管理職登用は非常に大切です。
また、女性のロールモデルを通して、どのような課題が起きているのか、どのように乗り越えてきたのか、などの話を聞けたりすると未来の自分の姿が見えて良いですよね。

今は、多くの女性がファーストペンギンとしてがんばっているので、情報の共有はとても大切だと思います。

とはいえ、弊社も成功事例ばかりではありません。女性が働き続けやすいようにと、事情を考慮した形での働き方をしていた女性社員の離職もあり難しさも感じます。

それでも、一人ひとりの事情に寄り添いながら、変化する家庭の状況に併せて、働く時間や働き方などを柔軟にデザインすることが重要だと思います。

松坂智美:
女性やママが働きやすい企業になっていくにはどのようなことを経営者や人事が対応していくとよいとお考えですか?

中西昌子:
まずは、女性の登用が必要であるかどうかを真剣に考えること、議論することからスタートするべきだと思います。

男性が採用できないから「女性でも良いか」とか「制度を作るのは面倒だか、女性が働きたいというのであればチャンスを与えても良いか」という想いであれば、女性の活躍、定着は難しいと感じます。環境に恵まれている女性、とても強い女性しか働けない、男性と同化できる女性しか生き残らないのではないでしょうか。

もちろん、女性も仕事に対しての真剣さ、誠実さは必要ですが、フルタイム勤務や残業ありが当たり前の世界観では、ほとんどの女性が働き続けることを諦めるかプライベートでの大きな犠牲を伴うと思います。

しかし、今は、人手不足で採用難の時代に突入しています。企業が人材を採用しやすい市場に反転することはまずないでしょう。女性の活躍を考えない企業はますます人手不足に陥ってしまうのではないでしょうか。

今までは、男性がフルタイム・残業ありで一律で働いていて、企業にとっては、非常に管理しやすく、組織運営には適していたのだと思います。多様性という意味や女性が活躍しにくい組織であるという弊害はありましたが、企業としてはそれが最適だった時代は間違いなくあります。

しかし、繰り返しになりますが、人手不足の時代に突入し、フルタイム・残業ありで一律で働いてもらえる人材のみで組織を構成することは到底難しい状況になっています。人口減少が進み、少子高齢化が進む徳島であればなおさらです。

だからこそ、その現実を受け止めて、女性を真剣に採用し、定着できる環境づくり、制度づくりを行うことを決断するかどうか、という経営判断をすることが最も大切なのではないかと思います。

今までの働き方のスタイルしか用意できない状況であれば、女性の定着は難しいということを理解し、女性が働きやすい働き方を一人ひとりに併せて作っていくことが大切だと思います。

そうすることで、女性だけでなく、子育てをする男性の、介護が必要とな社員の、様々な事情を抱える社員の、一人一人に合わせた「新しい働き方」がデザインできるのではないでしょうか。

松坂智美:
子育てを理由に働き方を変えたママは65.4%で、パパは25%という衝撃的なデータもみながら、ママや女性の働き方の悩みについて扱ってまいりました。

このラジオでは、何かを我慢したり、諦めたりするのではなく、今の自分のライフステージとキャリアステージにマッチする「前向きなキャリア選択」を応援しています。

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