「自分がどういう仕事がやりたいのかわからない」
「自分のタイプに合った合った仕事を選びたい」
という方にタイプ診断をご紹介したいと思います。
転職相談を受ける中で「自分に合った仕事が分からない」と言う方はとても多くいらっしゃいます。その場合は、自己分析を行うサポートをするのですが、ご自身を客観的にみることが苦手な方もいるようです。自身を客観的にみることができないことで、適性に合ってない仕事をしているということもあるかもしれません。
もちろん、やりたい仕事に挑戦することは否定しませんが、自分の性格に合った仕事を選ぶことができれば、そのメリットはとても大きいものです。
まず、ストレスが軽減します。
しかも、パフォーマンス(成果)が向上する可能性も高いです。
つまり、より楽に、より大きな成果を出すことができるようになる可能性があります。
そのヒントになるのが、制御適合理論というものです。
人を大きく2つの性格タイプに分けるシンプルな理論です。それでは、詳しく解説していきます。
目標達成のモチベーションになる、「促進焦点」と「防御焦点」
モチベーションに関して、制御焦点といわれるアプローチがあります。制御焦点は、2つの性格タイプに分かれます。
1つは、勝ちたい、成功したいという想いが強いタイプ。そして、もう1つが負けるのが嫌、損したくないという想いが強いタイプに分かれます。
あなたはどちらのタイプでしょうか?
「勝ちたい」「成功したい」「利益を増やしたい」という想いが強い場合は、「促進焦点」を重視するタイプです。
「負けるのが嫌」「失敗したくない」「少しでも損失を避けたい」という想いが強い場合は、「防御焦点」を重視するタイプです。
職場や仕事での自分はどちらか?を考えてみてください。同じ人でも、場面によって制御焦点は異なります。
自分の制御焦点と、働き方が合致しているとモチベーションが高まると考えられます。正しい方に進んでいるという適合感と、目的に近づいているという手ごたえを感じるといいます。
その適合感や手ごたえが、エンゲージメント、つまりやる気を高めます。そして良い結果、パフォーマンスの向上につながると考えられています。
では具体的に、どのような仕事と、どちらのタイプの相性が良いでしょうか?
促進焦点が強い人に適した仕事
勝ちたいという想いが強い「促進焦点タイプ」は、下記のような仕事、働き方に適性があるといわれています。
・スピード重視
・創造的な仕事
・増やす、生み出すといった生産的な仕事
・全体像を把握して進める
・リスクに寛容な職場
促進焦点の強い人は、「獲得を最大化したい」という欲求を強く持っています。そのための多少のリスクは負ってでも獲得のために行動します。
慎重に、失敗しないように、確実に進めることは好みません。失敗してもいいので、獲得のために次々にチャレンジする仕事の進め方が適合します。これを「熱望方略」といいます。
失敗してもチャレンジを評価してくれる風土のある企業、ベンチャー企業や老舗企業でも新規事業などに向いていると思います。また提案の幅の広い営業職、無形物の営業なども適性がありそうです。
セルフ・マネージメントする際は、成功に対するインセンティブを設定すると力を発揮しやすいでしょう。いわゆる自分へのご褒美です。ダメなのは、失敗したら損失が出る、または罰金を科すといった減点方式です。逆効果になります。
また、取り返しのつかない大きな失敗は命取りになりますので、小さなリスク・損失で済むか、状況判断をしたうえで失敗を恐れずに成功に向けてどんどんチャレンジしてください。
防止焦点が強い人に適した仕事
負けるのが嫌、という想いが強い「防止焦点タイプ」に合致している仕事、働き方はこちらです。
・正確性を重視
・細部にこだわる仕事
・分析的に考える仕事
・我慢強く取り組む仕事
・安心安全な職場環境
促進焦点タイプは、損失をできるだけ減らしたい、できれば一切損したくないと考えます。リスクがあるならやらないという判断になることもあります。
リスクを背負って一か八かの大逆転は決して狙いません。安心安全が確保された状況で、少しずつでもいいので慎重に、確実にコツコツと利益を増やしていきたいと考えます。「警戒方略」といわれます。
防止焦点タイプは、この警戒方略で取り組むと適合感を得られて、成果につながると考えられます。
適性のある仕事は、事務系職種で特に専門性の高い経理や法務などが向いていると思います。そのほか、エンジニアへの適性もあるかもしれません。保証のない場所で働くことには不安を感じると思いますので、育成制度がきっちりしている企業や、マニュアルがある職場に適合的です。大企業に多いかもしれません。
セルフ・マネージメントする際は、減点方式が向いています。成功したら損失はないが、失敗したら損失が生じる目標設定をしてみてください。その緊張感の中で集中力を発揮します。しかし、正確さを重視するあまりスピードがさがります。そこを踏まえてバランスをとってください。
徳島の企業はどちらのタイプ?
徳島の企業は、「防止焦点タイプ」が多いように感じます。徳島は貯金が好きな県民性ですし、リスクを取るよりも安定的な経営を行う会社が多いように感じます。雇用自体が守られやすいというメリットがありますが、「勝ちたい」「成功したい」「利益を増やしたい」という促進焦点を重視するタイプからするとやや物足りないと感じる方もいるかもしれません。
しかし、ご安心ください。徳島での転職を希望する促進焦点を重視する方にも合致する求人も増えてきました。上場を目指すベンチャー企業の求人案件やITベンチャー企業のサテライトオフィス勤務の求人案件もございます。
どちらのタイプの方も、徳島で転職をご検討されている方は、ぜひご相談ください。
参考
外山美樹『制御適合とパフォーマンスに関する研究の動向と今後の展望』